デンタルフロスの現状
歯科医院に行って、「歯磨きだけではなくてデンタルフロスも使ってお掃除してくださいね」と言われたことがある方は多いと思います。
しかし使用している患者さんはかなり少ないです。久しぶりに歯科医院に来たという患者さんであれば、使っていない方がほとんどです。
ただ歯を毎日見ている側からすると、毎日フロスをしている方としていない方の違いは歴然としています。
歯ブラシだけの場合と歯ブラシとデンタルフロスを使った場合の、歯垢の除去レベルは1.3〜1.5倍も違うと言われています。
ただ、デンタルフロスを使う習慣が根付いていないから、地道に啓蒙していくしかないでしょう。
そもそも子供の時には歯ブラシを使った歯磨きの重要性はさんざん教育されても、フロスに使用については教えてもらえないですよね。
実際に、デンタルフロスの使用率は20%と言われています。
デンタルフロスを使うべき理由
歯磨きにプラスしてデンタルフロスを使うのは面倒くさい!という方のために使うメリットを順番に説明していきます。
デンタルフロスによって歯垢除去の効果が高まるのはすでに解説した通りです。
歯垢を毎日しっかり除去できていれば、歯周病や虫歯を予防することができます。自分の歯と長く付き合っていくための行動として役立つのはもちろんですが、全身の健康維持のためにも大切です。
口臭予防効果にもつながります。年齢や食生活のせいにしてしまいがちですが、まずは口内環境の改善を優先すべきです。
デンタルフロスの正しい使い方と順番
デンタルフロスは、糸巻き状になっているロールタイプがおすすめです。
安価ですし、使用の自由度も高いです。
ただし、初めての方には扱いにくいというデメリットもあるので、まずは気楽にフロスを習慣化したい場合は、Y字型やF字型を使ってもよいでしょう。いわゆる糸ようじと言われるものです。
ロールタイプのデンタルフロスは、40〜50cmほど切り取ったら指に巻きつけて使います。慣れれば素早くできるようになるので、Y字型やF字型と同じように操作できると思います。
使う順番は、歯磨きの前がおすすめです。
歯磨きの前に歯間の歯垢を取り除いておくと、歯磨き粉に使用されているフッ素などの有効成分を歯間にも到達させることができるからです。
実際に研究において、デンタルフロスは歯磨きの後よりも前に使った方が歯垢の除去率が高いという結果が出ています。
デンタルフロスの使用にはいくつかの注意点があります。
一番は、歯間の奥深くに入れすぎないことです。
勢いよくフロスを入れてしまうと、歯肉に到達して傷が付いてしまいます。
特に歯間が狭い部分では要注意です。前後に揺らしながら徐々に、フロスを入れていきましょう。